先日、 NanoVNAのElectrical Delayについて少し触れたのですが、流石と言うか、 今回のファームウェアのアップデートでマイナス方向(送信機側方向)の補正が追加されました。(VYFB!)

高い周波数帯では、測定点のインピーダンスを知ろうとすると、コネクタ1個分でも結構な位相補正が必要になります。

例えば、アンテナの給電点インピーダンスを測定する場合は、ダイナミックレンジが広く取れるように出来るだけ短い同軸ケーブルをNanoVNAに接続し、アンテナを繋ぐケーブル端にてキャリブレーションします。ケーブル端は通常はプラグ形状の場合が多いのですが、お手持ちのCALキットもプラグ形状の物しか持っていない方も多いはず。

ここで高周波特性の良い中継コネクタを使ってキャリブレーションするのですが、アンテナとの接続は中継コネクタを外した状態なのでマイナス方向のElectrical Delayが必要になるのです。スミスチャート上に正確な位置が表示されていないと、コイル/コンデンサも思った通り利かせる事ができないのです。

今回のバージョンアップで同軸を使ったQマッチ(って言うのかな?)にもかなり便利に使えますね。